要点: 163条(j)は、企業が各年度に控除できる事業利子の額を、原則としてある利益指標の30%に制限します。その指標がEBITDA(減価償却前)なのかEBIT(減価償却後)なのかで結果は大きく変わります。EBITDA方式のほうがはるかに大きな控除を認め、資本集約的で負債の多い事業に格段に有利です。

この規定の内容

事業債務の利子はかつて全額控除できました。現行の163条(j)はこれを制限します。事業は原則として、「調整後課税所得」(ATI)の30%に事業利子収入を加えた額までしか事業利子を控除できません。

ある年に否認された利子は失われるわけではありません。原則として無期限に繰り越され、余裕のある将来の年度で控除できます。ただし繰越は当年度控除より価値が劣ります。現金面の便益が繰り延べられるからです。

したがってこの規定の実務上の重みは、たった一つの問いに集約されます。調整後課税所得はどのように計算されるのか。

EBITDAとEBITの違い

ここが核心であり、略語の見た目より単純です。

  • EBITDAベースのATI — 減価償却費を差し引くで測った利益。これらの非現金費用を差し引かないためATIは大きくなり、その30%も大きくなり、より多くの利子が控除できます
  • EBITベースのATI — 減価償却費を差し引いたで測った利益。ATIは小さくなり、30%の上限はきつくなり、控除できる利子は少なくなります

数値例にすると差は一目瞭然です。減価償却前営業利益1億ドル、年間減価償却費4,000万ドルの事業を考えます。

指標ATI30%上限=控除可能利子
EBITDAベース1億ドル3,000万ドル
EBITベース6,000万ドル1,800万ドル

同じ会社、同じ負債、同じ年度でありながら、控除可能利子に1,200万ドルの差が生じます。仮に2,500万ドルの利子を支払う負債の多い事業であれば、EBITDA基準なら全額控除できる一方、EBIT基準では700万ドルが否認されます。

最も打撃を受けるのは誰か

EBIT指標は、減価償却が重く負債も重い事業をまさに狙い撃ちします。

  • 不動産 — 償却対象資産の基盤が大きく、通常は負債で調達。
  • インフラ・エネルギー — 長期にわたる資本資産。
  • 製造業 — 相当規模の設備・装置。
  • プライベート・エクイティの投資先企業 — レバレッジがモデルの中核。
  • 通信・データセンター — 巨額の設備投資。

資産の軽い事業 — ソフトウェア、サービス、コンサルティング — は減価償却が小さいため、二つの指標はほぼ同じ結果となり、この区別はほとんど意味を持ちません。

基準が動いてきた理由

2017年に制定された当初の規定は、最初の数年間はEBITDA型の指標を用い、その後より厳格なEBIT指標に切り替わりました。この厳格化は資本集約的な事業の負債調達コストを引き上げ、税法の中でも最も強くロビー活動の対象となった条項の一つでした。その後の立法により、より寛大なEBITDA基準が復活しました。

政策論は双方向に成り立ちます。

より厳しい上限(EBIT)を支持する立場: 税法は長らく負債を株式より優遇してきました。利子は控除でき、配当はできないからです。この偏りはレバレッジを促し、企業を脆くします。厳格な制限はこの歪みを減らし、税収も増やします。

より緩い上限(EBITDA)を支持する立場: 減価償却は非現金の会計上の費用です。債務返済能力を測る前にこれを差し引くことは、企業の実体経済を誤って表します。資本集約的な事業は実際にその利子を支払う現金を生み出しており、これを罰することは、政策当局が本来奨励したい長期投資をまさに抑制します。

実務上の留意点

  • 制限は事業体レベルで適用され、パートナーシップでは特に複雑です。否認された利子はパートナーに配分され、パートナーの段階で繰り越されます。
  • 総収入が一定の基準額を下回る小規模事業は原則として適用除外です。
  • 一定の不動産業・農業は適用除外を選択できますが、その代償として償却方法が遅くなります。これは本物のトレードオフであり、無条件の免除ではありません。
  • 繰越があるためタイミングが重要になります。業績の弱い年は、通常は余裕のある借り手であっても利子を将来へ押しやることがあります。

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本解説は分析および一般的な情報であり、税務・法務・投資に関する助言ではありません。